初任給を高くするリスク

「新卒採用の応募者を増やすには、どうすればいいか?」という問いに対して、「初任給を高く設定する」と答える人事担当者がいるかもしれません。他にも「人気エリアのビルに移転する」「福利厚生を充実させる」など、いろいろ考えられますが、新卒採用において初任給を高く設定するのは、最終手段だと捉えておきましょう。高い初任給を支払ってしまった後に業績が傾き、2年目以降で給料を下げるのは、とても困難なのです。昇給できない経営状態というのは、従業員のモチベーションを大幅に低下させてしまうからです。

動機付け要因と衛生要因について

昨今の学生は、就職先に「この業務をやってみたい」「やりがいを感じたい」「会社で成長したい」という要因を求める傾向があります。これらは「動機付け要因」と呼ばれています。それに対し、初任給や福利厚生は「衛生要因」に分類されます。若手社員は、仕事のやりがいや職場での人間関係を重視するため、衛生要因で不満を解消することはできても、満足感を引き出すことは難しいのです。そのため新卒採用では、学生に動機付け要因をアピールすることが推奨されています。また、労働条件を引き下げることは、社員にとっていわゆる不利益変更にあたります。社員から不利益変更を主張されると、企業側は弱い立場に立たされるのです。訴訟を起こされる可能性もないわけではありません。業績が右肩上がりになるという確信がない限り、初任給は標準に設定するのが無難だといえます。その点、ボーナスは額の上げ下げが比較的自由です。どうしても、衛生要因で新卒採用の応募者を増やしたいのであれば、ボーナスの額でコントロールすることをおすすめします。

新卒採用コンサルティングは企業側の要望に対し、年代別の新卒の特徴などを踏まえた選考方法を提示するのが主な仕事です。企業が欲しい人材と就活生が望む職場環境を客観視することが的確なアドバイスに繋がります。